京都観光 おすすめポイント 京都の芸術 花街のしきたり Art Kyoto Hanamachi
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●お茶屋と屋形 花街はお茶屋と屋形で成り立っています。「お茶屋遊び」とよばれるように、芸舞妓による歌舞音曲でもてなすお座敷を提供するのがお茶屋です。お茶屋という呼び名は京都のみで使われていて、花街が水茶屋から発祥したことによります。「屋形」は子方屋、置屋ともいい、芸舞妓を抱えてお茶屋や客からの要望でお座敷に送ります。花街では「お茶屋」が表舞台、「屋形」はそれを支える裏方です。

●仕込み 舞妓志願の女性は、屋形の住み込みから始まります。屋形では、舞妓になるべく行儀作法から、京ことば、しきたりのすべてを教え込みます。女性は「仕込みさん」と呼ばれます。舞、お囃子の修行に励むのもこの時代です。愛くるしさが魅力の舞妓だけに中学・高校卒業後入るのが一般的です。「仕込み」の期間は大まかに1年間が一般的です。

●店出し 「仕込み」を終えれば、晴れて舞妓ろしてお座敷に出ることになります。「店出し」とよばれています。舞妓にとっても、これまで親身になって行儀作法から化粧や京ことばに至るまで面倒を見続けてきた屋形にとっても晴れがましい日です。日程が確定すれば、店出しの前に、お座敷見習いがあります。夕刻からお姐さん芸妓に連れられてお座敷に出ます。この時、見習い舞妓は「半だらり」「半だら」と呼ばれます。だらりの帯がいくぶん短く結ばれているので、このようによばれています。店出しの前に欠かせないのが、お茶屋やゆかりの店々に配られる「さし紙」で「このたび舞妓になりました」というお披露目の証です。

●衿替え(襟替え) 舞妓が晴れて芸妓になることを言います。舞妓時代の赤衿が白襟に変わります。お披露目の時に、着物の衿を替えることが起源となっています。これまで屋形住まいだった舞妓の立場から自立するので「一本になる」という意味が込められています。

●割れしのぶと先こう(さっこう)舞妓から芸妓に一本立ちしたことを示すのは髪型です。「割れしのぶ」から「おふく」と馴染んできた舞妓時代の髪型は、衿替えが近くなると「奴島田」に、さらに「先こう」に結うことになります。「先こう」は髪の上に「橋」とよばれる髷(まげ)の付いた髪型で、芸妓になる前の2週間しか見ることの出来ない貴重なものです。「先こう」の元結(もとゆい)が切られて始めて芸妓になります。

●男衆(おとこし) 芸舞妓の衣装の着付け師のことを言います。花街によって、男性であったり女性であったりしますが、祇園甲部では男性が努めます。桔梗家、末広家、村田家といった屋号が有名です。男衆については瀬戸内晴美の小説「祇園の男」で詳しく記述されています。現存する男衆は4人です。お座敷に向かう芸舞妓、都おどりの衣装の着付けにあたります。

●太鼓持ち お座敷の座を持ち芸で盛り上げる役者のことを言います。幇間(ほうかん)や拳頭(けんとう)とも呼ばれます。喜多川守貞の「守貞満稿」には「京坂にて芸者とのみいへば幇間也。女芸者は芸子といふ」とあります。幇間の幇は補い助けるという意味があります。祇園では男芸者というものはなく、すべて幇間でした。ただしこの幇間が見られたのは戦前まででした。

●拳 座がひとしきり盛り上がったところで興じられるお茶屋での代表的な遊びです。三竦みのジャンケンで勝ち負けを争うゲームです。「ばら拳」「つる拳」「相場拳」などが有名です。良く知られているのが「虎拳」です。浄瑠璃の「国性爺合戦」にちなみ、和唐内(わとうない)と、和唐内の老母、虎で構成されています。和唐内は虎に勝ち、虎は老母に勝ち、老母は和唐内に勝つという三竦みのルールで、芸舞妓、客がそれぞれに扮して勝ち負けを競います。負ければ罰ゲームがあります。
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